- 日時: 2022/08/10 20:24
- 名前: てん (ID: 3BuXSBTD)
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「三分の一の3倍は1」ってなんで?
三分の一はご存知でしょうか?
1割る3の事です。
それに3をかけたらどうなるでしょうか
もちろん、1ですよね。
÷3と×3は逆の関係にあるので、一回ずつ行えば元に戻るはずです。
じゃあ三分の一は具体的にどんな値なのでしょうか?
0.333…になるはずです。 . これを0.3と表したりもします。
ではこれを3倍するとどうなるでしょうか?
0.999…になるはずです。 . これを0.9と表したりもします。
この値は三分の一の3倍です。
つまり、「1」である必要があります。
「0.999…=1」???
どう見ても違いますよね。
どうしてこんなことが起こるんでしょうか?
今日はこの説明を2種類のアプローチでやっていきたいと思います。
1.極限からのアプローチ
数学には極限という概念があります。
例えばこういうものです。
lim 2n n→∞
これは極限までnを∞に近づけたときの2nの値を表します。
「極限まで∞に近づける」というのは「∞には決してならないギリギリの値にする」という事です。
この考え方は今回の三分の一の3倍問題にも使えます。
0.999…を三分の一の3倍に「極限まで近づけた値」と考えてみればどうでしょうか。
そう考えると三分の一の3倍そのものは、その「極限まで近づけた値」より僅かに大きい最小の値と考えられます。
それが1です。
0.999…と∞に9を書くことはできないから、∞に近い数の9を書いてそれよりちょこっと大きいのが「真の値」というように考えれば、すんなり納得できませんか?
2.三進数からのアプローチ
みなさんが使っている「数」は10進数というものです。
0123456789…10になったら二桁。
ここに大した意味はないです。
「人間の手の指が10本だから10で次の桁にいくの?そんなわけないか」
いや、そんなわけあります。指が10本だから10進数を使っています。我々は。
10になると一桁進むから10進数。
では、3になると一桁進むのは?
はいそうです。3進数です。
3で次の位に行きますから、「0、1、2」の3つしか数字を使わないです。
0 1 2 10 11 12 20 21 22 100
という感じで数えていきます。
二桁目の「1」は3と同じ意味になっているのにお気づきでしょうか?
それはそうです。3で繰り上がる。つまり、いつもの10進数でいう、「十の位」が「三の位」というわけです。
同じように、三桁目の繰り上がりは「9」で起こります。
「九の位」というわけです。
同じように四桁目は「27」、五桁目は「81」で繰り上がります。
一桁目 1 二桁目 3 三桁目 9 四桁目 27 五桁目 81
さて、規則性見つかりませんか?
一桁上がるごとに繰り上がりの数が3倍になってます。
逆に、一桁下がると三分の一倍になっています
じゃあ小数第一位はどうでしょうか?
「三分の一」の位になりませんか?
答えから言うと、なります。
つまり、3進数で「0.1」というのは、三分の一を表します。
0.1×3は?「0.3。」
でも3で繰り上がるから?「1」
テッテレー。三分の一の3倍がピッタリ1になりました拍手。
つまりは、1÷3が10進数として割り切れないからいけないのであって、割り切れる「ツール」を使えば「二分の一×2=0.5×2=1」と変わらないのです。
三分の一の3倍は1?
答えは「はい」
本講のまとめ
・三分の一の3倍は1 ・0.999…と1は近似的に同じ(というか同じ) ・三分の一が特別なのではなく、10進法だからややこしくなっているだけ |