【3ぱぱさんのご出張】その2
ごめんじゃねーよ!……と頭の中で考えながらも上司のツッコミを入れる訳にもいかずとりあえず全力で嫌な顔をする。
課長は外部から来た人でいわゆる座っているだけでお給料を貰える身分の方なので仕事には一切ノータッチだ。誰もいない時にたまたま電話を取ってしまったんだろう……
ぱぱ「課長。一応聞きます。総務に頼んで宿取ってないですよね?」
課長「どうだったかな?言ったような、言ってないような……」
あぁ……この人絶対言ってないな。そう思いながら奇跡を信じて総務に電話をかけてみる。
ぱぱ「もしもし○○課の3ぱぱですけど明日から出張の話聞いてます?」
総務ギャル「出張ですかぁ?聞いてないですよぉ」
ぱぱ「だよね……今から名古屋で宿取れるかな?」
総務ギャル「はぁ?明日から出張ってもっと早く言ってくれないと!自分で探してください!」
ぱぱ「す、すいません。」
俺は何も悪くないのに……そう思いながら総務の女の子に頭をさげる。
今から会社の近くで1週間以上宿を抑えるのは不可能だろう。宿を探す時間も無駄だ。
名古屋支社の近くに嫁さんの従姉妹家族が住んでいる。頼んで泊めてもらう事にする。
>>70で少し登場した私の事をお兄さんと慕ってくれている嫁さんと一回り歳の離れた従姉妹の住む家だ。
嫁さんに一応断りの電話を入れてから名古屋の親戚に電話をかける。
名古屋おじさん「おお、3ぱぱ君久しぶりだね。どうした?」
3ぱぱ「おじさん実はゴニョゴニョで1週間程……」
名古屋おじさん「おおwいいぞ!定年して暇してるからな!何日でも泊まりに来い!」
よかった……飯付きの宿を確保出来た。この家族、おじさんとおばさん、そして2人の娘なのだが娘が2人とも非常に可愛い。姉は幼稚園の先生、妹は大手企業で働き共に男運がなく20代後半にして独身だ。私はこの娘達がたまらなく大好きで名古屋の出張に少し楽しみが出来た。
やり途中の仕事を無理やり部下に押し付け朝一番の新幹線で名古屋へと向かう。
一つ気がかりなのは12月に控えたバスT、娘の発表会までに帰れるかどうかだった………
続く