【信じるか信じないかは貴方次第】後編
妖怪さん「ててて天狗です。」
3ぱぱ「ん?天狗?」
妖怪さん「ささささ3ぱぱさんには天狗が憑いてます。3匹ほど。」
3ぱぱ「あ、ああ………そう。天狗ね……」
予想外だった。まさか天狗が憑いていると言われるとは思わなかった。しかもこの天狗の大きさはタバコの箱位の大きさらしい。
妖怪さん「ききき気をつけてください。天狗はイタズラをします。工場現場の前で上から物が落ちてくるとかトラックが急に突っ込んでくるとか……」
…………それはイタズラではない。完全に殺しにかかっている…………
妖怪さん「そそそそそれと………」
3ぱぱ「何?まだ何か憑いてるの?」
妖怪さん「ろろろろ老婆が………」
3ぱぱ「ろ、老婆ですか………死んだ祖母かな………?」
妖怪さん「ぜぜぜぜ全然関係ない人です。3ぱぱさんの背中に覆い被さるようにガッチリ張り付いてます。」
3ぱぱ「ははは……しゅ守護霊様か何かかな?」
妖怪さん「ちちちち違います。浮遊霊です。3ぱぱさんの背中で天狗とケンカしてます。」
なんと!私の背中では妖怪大戦争が起こっていた!妖怪さんが私と目を合わせない理由、それは背中で凄い事が起こっているからだった。何だろう……周りの人達も私を哀れむ様なそして巻き添え喰らいたくないから近寄るな空気を出している………
私の背中で起きている衝撃的な事件は置いておいて気を取り直し仕事を進める。そんな日に限って仕事ははかどらない。
帰宅する頃には24時を越えている。
帰宅する為車に乗り込む……サイドミラーが気になる。サイドミラーを覗くとサイドミラーには…………何もいない…………
いるわけないよな………そう思いながら何度サイドミラーを見た事だろう。対向車線からトラックが来るとつい身構えてしまう………無事にすれ違うとホッとする。
…………って完全にビビっとる……………
少し時は過ぎ1カ月後、何事もなく私も天狗と老婆の事は気にならなくなっていた。そして妖怪さんは元の部署へと帰って行った。「3ぱぱさんの部署にはもう来たくありません」という言葉を残して……
さらに数年の時がたち去年の年末、私は何故か唐突に妖怪さんの事を思い出した。そういえば私の背中の住人達はどうなったのだろう?
気になり出したら止まらない私は妖怪さんの部署へと向かう。
いた!妖怪さんだ!
3ぱぱ「妖怪さん、久しぶり!」
妖怪さん「ささささ3ぱぱさん、お久しぶりです。」
妖怪さんは変わらず目をギョロリとさせて私とは目を合わせない。
3ぱぱ「俺の背中がどうなったか気になっちゃってさ〜。教えてくれる?」
妖怪さん「はははははい!」
妖怪さん「てててて天狗と老婆は居なくなってます。」
3ぱぱ「本当?よかった〜。俺、結構気にしてたんだ〜」
妖怪さん「…………」
3ぱぱ「妖怪さん、どうしたの?」
妖怪さん「かかかか代わりにお爺さんが憑いてます。」
3ぱぱ「ははは………こ、今度は爺さん?」
妖怪さん「せせせ背中にガッチリ張り付いてます。私に威嚇してきてます。」
3ぱぱ「…………」
聞かなきゃよかった…………
…………という訳で今、私の背中には知らない爺さんが周りを威嚇しながらガッチリ張り付いてます。
皆さんも夜、振り返る時は気をつけてください………居るはずの無い何かが見えてしまうかも………
信じるか信じないかは貴方次第です……
おしまい