【息子のモテモテが止まらない】第八話
「先生さよ〜なら!」
帰りの会が終わると息子は急いで下駄箱へ向かう。
友達「息子君バイバ〜イ」
息子「バイバ〜イ」
野口さん「息子君……」
息子「な、何?」
野口さん「これあげる……」
息子「あ、ありがとう。これ何?」
野口さん「鉛筆削ったカス……」
息子「い、いらないよ………」
野口さん「シッシッシッ………」
息子「あぁ!もうっ!校門でO君が待ってるのに!」
学校が終わると息子は1学年下の親友O君(息子のお泊まり会に登場した三姉弟の長男)と待ち合わせをして一緒に帰る。
この二人、学年は違うが大親友だ。元々は犬猿の仲で顔を合わせればケンカをしていたのだがある事件をきっかけに大の仲良しになった。
ある事件とは話すととても長くなるのでいつか書ければと思っています。
息子「Oく〜ん!お待たせ!」
O君「遅いぞ!」
そしてもう一人、この前の事件以来少し積極的になった女の子……
セロリちゃん「息子君、私も一緒に帰っていい?」
息子「うん。別にいいよ。」
いつもは息子達の後ろを歩いていたセロリちゃんも並んで帰る。しかし息子とO君は妖怪ウォッチの話で盛り上がり入り込む隙はない。
O君「息子君!ランドセル置いたらすぐ行くね!」
相変わらずO君と息子が別れた後にセロリちゃんが動きだす。
セロリちゃん「息子君、今日連絡帳書くの忘れちゃったから写させて。」
息子「え〜いいよ。」
セロリちゃん「おじゃましまーす。」
嫁「あら?セロリちゃんどうしたの?」
セロリちゃん「連絡帳書くの忘れちゃったから息子君に写させてもらうんです。」
息子「早く写してね!僕今からO君と武士王倒すんだから!」
セロリちゃん「私も一緒に遊んでいい?」
息子「じゃあぱぱのDS貸してあげるから一緒にやる?」
セロリちゃん「わ〜い!」
嫁「………」
ランドセルを置いたO君が猛ダッシュで我が家に来る。
O君「息子くーん!おまたせ〜!あれ?セロリちゃん何してるの?」
息子「セロリちゃんも一緒に遊びたいんだって。」
O君「ふ〜ん。僕達の足ひっぱるなよ〜。」
夢中で遊び出す子供達。5時のチャイムが鳴る。みんなお家に帰る時間だ。帰りはO君のお母さんが迎えにくる。
O君「やばい!お母さんが来た!息子君、隠れるぞ!」
息子「わかった!」
我が家の恒例行事。遊び足りないO君は約束の時間に絶対に帰らないので仕方なく帰りはお母さんが迎えに来るのだ。しかしそれを察知した息子とO君は2階に隠れる。最終的にO君はゲンコツを喰らい泣きながら引きずられて帰っていく。
嫁「さぁ、セロリちゃんもお家に帰りなさい。」
セロリちゃん「あれ?おかしいな?家の鍵が無い………」
嫁「………」
嫁さんの予感が的中していく………
嫁「もあ1回よく探してみて。」
セロリちゃん「やっぱり無い。どうしよう………お母さん帰ってくるまで家に入れない………」
家に入れないと言っている子供を追い返す訳には行かない。
嫁「セロリちゃん、お母さんに連絡してあげるからお母さん帰ってくるまで家にいなさい。」
セロリちゃん「おばさん!ありがとう!」
先程まで鍵が無くて困っていた割に気持ちの切り替えが早い。そう………セロリちゃんの計画通りだからだ………。
続く