【息子のモテモテが止まらない】第九話
仕事を終えて帰宅する。時間は19時過ぎ頃自宅の近くでお母さんと歩いているセロリちゃんを見かける。
3ぱぱ「ただいま〜。」
嫁「おかえりなさい。」
3ぱぱ「今セロリちゃん親子とすれ違ったよ。」
嫁「ああ………今まで家にいたからね。」
3ぱぱ「またいじめられたの?」
嫁「家の鍵無くしたって。お母さん帰ってくるまで家に入れないってね。多分嘘だけどね………」
嫁「他人が首突っ込む事じゃないけどセロリちゃんのお母さんに学童に戻る様に勧めたよ。鍵の件もね。お母さんのいない間の寂しさを私達の家で埋める為の口実じゃないのかってね……」
3ぱぱ「……」
嫁「私も一人っ子だったから一人で留守番する寂しさとかはわかるけど……」
返す言葉もかける言葉も何もない。正しい答えも無いだろう………。
翌日、セロリちゃんは学校を休んだ。セロリちゃんが学校を休んだ時は一番家の近い息子が配布物や今日勉強した事等を書いたノートを渡しに行く役目だ。
18時過ぎに仕事を終えて帰宅すると息子の姿がない。
3ぱぱ「息子はどうしたの?」
嫁「それがセロリちゃんの家に連絡帳持って行ったまま帰ってこないのよ……もう30分位たつかな。今、丁度見に行こうとしていた所なんだけど」
3ぱぱ「じゃあ俺見てくるよ。」
嫁「お願い出来るかな?今こんなだから……」
嫁さんは次男をオンブして寝起きで機嫌の悪い娘にまとわりつかれながら夕食の用意をしている。
セロリちゃんの住むアパートに行きインターホンを鳴らす。
ピンポーン!
セロリちゃん「誰ですか?」
3ぱぱ「息子のお父さんだけど……息子いるかな?」
インターホン越しに話をするとドタドタと走る音が……
息子「ぱぱー!」
セロリちゃんの家のドアが勢いよく開く。
3ぱぱ「おい、息子何時だと思って…………ってお前………その顔…………ぶはははっ!」
半泣きで出てきた息子の顔はバカ殿様の様な化粧がされていた。
息子「セロリちゃんが帰らせてくれないんだよ………化粧の練習させろって言われて!」
セロリちゃん「おじさん。こんばんは………」
3ぱぱ「セロリちゃん、息子の帰る時間は知ってるよね?」
セロリちゃん「はい………ごめんなさい。」
3ぱぱ「息子、お前もだよ。」
息子「だって……セロリちゃん帰ろうとすると叩くから………」
3ぱぱ「お前って奴は………男だろ………しっかりしろよ………」
3ぱぱ「で、何で顔がバカ殿様になってるの?」
セロリちゃん「私大きくなったらお母さんみたいにメイクの仕事したいの!だから息子君で練習してたの!」
3ぱぱ「へぇ〜2年生で将来の夢まであるのかぁ………息子、お前の将来の夢何だっけ?」
息子「………ハンター。」(テレビでやっている逃○中のアレ)
3ぱぱ「とにかく今後こうゆう事はしちゃダメだからね。」
セロリちゃん「ごめんなさい……昨日お母さんにも怒られたの。家の鍵無くしたって嘘ついて息子君の家で遊んでて……。それで私が夜までいるとみんなに迷惑がかかるから学童に戻りなさいって。」
3ぱぱ「そうか………」
セロリちゃん「でもねお母さん残業減らして早く迎えに来てくれてるって!」
昨日の嫁さん同様、返す言葉もかける言葉も見つからない……涙腺の弱くなったおじさんは油断したら泣いてしまいそうだ。
3ぱぱ「セロリちゃんたまには遊びにおいで。」
セロリちゃん「うん!息子君、おじさんありがとー!この前、息子君のお家でご飯食べてすごく楽しかったよ!」
息子「もう絶対セロリちゃんの家には行かないんだから………ブツブツ」
3ぱぱ「ハハハ………息子、すねるなよ…」
もう辺りは真っ暗になっている。バカ殿メイクの息子と共にセロリちゃんの家をあとにする。
続く。