【息子と親友の話】第三話
まいママ「康祐君はおいくつかな?」
嫁「今は1歳です。」
まいママ「そうなの。じゃあ家のまいの方が1つ年上かしらね。」
まい「うぃんなー!」
康祐「シャッ!シャッ!」
お互い少し警戒しながらも興味津々な様子。
まいママ「今、パパが自転車でどこかに走りに行ってしまっていないんですよ。」
3ぱぱ「そうですか……また旦那さんのいる時にあらためて挨拶に来ます。」
まいママ「ごめんなさいね、わざわざ来てもらったのに………あ、これ銀チョコロール!スーパーで安かったからいっぱい買ってしまって。よかったらどうぞ。」
3ぱぱ「あ、ありがとうございます。」
まいちゃんママ……銀チョコロールをこよなく愛する主婦。買い物袋には常に銀チョコロールが入っている。後に私は、まいちゃんママの顔を見ると銀チョコロールが食べたくなる様になっていく。
挨拶を全て済ませ引っ越しの片付けも終わったのは夕方。グッタリする間もなく康祐は「シャッ!シャッ!」と言いながら外を指さす。外で遊びたくて仕方ないようだ。
まぁ周りの散策がてら散歩にでも行くかと康祐を連れて外に行く。家の裏手にある急な坂道を下って行くと見事な田園風景が広がっている。
見るもの全てが新しい康祐は大はしゃぎ。少し離れた所からも子供の笑い声が聞こえてくる。
「キャハハハハッ!うぃんなー!」
この聞き憶えのあるフレーズは、まいちゃんだ。隣にはお父さんらしき人の姿が。康祐もまいちゃんに気が付き「シャッ!シャッ!」と指をさす。
向こうもこっちに気が付いたようだ。まいちゃんのお父さんはヨレヨレのTシャツに短パン、便所サンダル。完全に油断した休日のお父さんスタイルだ。そして右手には缶ビールが握られている。
(まいちゃんのお父さん、夕方の散歩に缶ビールか……飲んべえだな。)私の率直な感想だ。しかしまいちゃんのお父さんも同じ事を思っただろう。何故なら私の姿もヨレヨレのTシャツに短パン、便所サンダルで右手に缶ビールが握られているからだ。
3ぱぱ「こんにちは。はじめまして!岡田さんですよね?3ぱぱと申します。」
まいパパ「こんにちは、さっき挨拶に来てくれたみたいですね。よろしくお願いします。」
まいちゃん「うぃんなー!」
康祐「シャッ!シャッ!」
一度顔を合わせている子供達はじゃれ合っている。
まいパパ「お好きですか?」
缶ビールを指さす、まいちゃんパパ
3ぱぱ「ええ、まぁ、お好きな方です。」
同じく缶ビールを指さし答える。
まいパパ「どうですか?時間あるなら家の庭で一杯?」
3ぱぱ「いいですね!是非!」
酒好き皆友達。出会って5分で酒に誘われて快諾。後にまいちゃんパパは私の大事な飲み友達になる。
続く