【息子と親友の話】第五話
4月、我が家の康祐は幼稚園生に。息子の幼稚園の制服姿を見て目がウルウルとしたのを憶えている。
3ぱぱ「康祐、ちゃんとバス乗って幼稚園行けるか?」
康祐「まいちゃんいるから大丈夫!」
ママっ子の康祐。ママと離れるのは初めてだ。本当に大丈夫なのか?
康祐、はじめての幼稚園バス。朝早くに銀チョコロールを片手に持ったまいママとまいちゃんが迎えに来る。
まい「こうちゃーん!幼稚園いこー!」
康祐は家から飛び出しまいちゃんと手をつなぎバスの停留場所へ。
まい「みらいちゃーん!」
先に停留場所にいたみらいちゃんに手を振るまいちゃん。みらいちゃんの後ろにはママと一緒にみらいちゃんの見送りに来た2歳になり凶暴さを増した長岡おう太が……
康祐の脳裏にいつかの強烈なタックルが蘇る。引きつる康祐。
康祐「あ、お、おう…………た君……」
おう太「あーっ!」
ズドーン!!!
康祐、初登園。それはおう太の強烈なタックルと伴に始まった…………。
長岡ママ「お、おー太ー!!!」
嫁「!!!」
まいママ「!!!」
康祐「う、うわぁぁぁぁん!!!」
おう太「アハハハハ」
見事のタックルが決まり大号泣の康祐。
と同時に幼稚園バスが到着する。
先生「はい、皆さんおはようございます。あれ?康祐君はママと離れるの寂しくて泣いてるのかな?」
先生、違います。今しがた強烈なタックルを喰らって泣いてるんです………。泣きわめく康祐をバスに押し込み幼稚園バスは走っていった。
帰りのお迎えの時間。おう太はバスの停留場所でママにおんぶ紐でくくられていた。
長岡ママ「3ぱぱ嫁さん、ごめんなさい。うちのおう太は手がつけられなくて……」
嫁「アハハ、気にしないでください。康祐周りに男の子いないから良い刺激になるかも。」
ママの背中で暴れまくるおう太
おう太「おろちてよー!」
実はこの幼稚園バスの停留場所、他の幼稚園のバスも停まる。帰りの時間帯には違う幼稚園に通う「けん太」のお母さんも待っている。けん太の家とおう太の家は近所で元々知り合いだ。
康祐、まいちゃん、みらいちゃんの乗っているバスが停留場所に到着する。
先生「それでは皆さんさようなら。」
キッズども「さよーならー。」
まわりを見渡してビクつく康祐。おう太のタックルを警戒しているのだろう。ママの背中にロックされているおう太を見て一安心だ。
ママ達の井戸端会議がはじまりしばらくしてけん太の乗る他の幼稚園のバスも到着する。けん太もまいちゃん、みらいちゃんと同い年。康祐の1つ年上だ。
けん太ママ「けん太、おかえりー。」
後に子供達のリーダー的存在になるけん太との初対面だ。
この日、「康祐」「まい」「みらい」「おう太」「けん太」数年後に大事件を起こす5人がはじめて揃った。
続く。