【息子と親友の話】第十話
倉庫の引き戸を見てみると扉を壊さ無くても簡単にはずす事が出来そうだ。簡単な鍵が内側に付いているだけだった。
3ぱぱ「これなら扉壊さないでも簡単に開けられそうだな。」
長岡爺さん「ほぇ〜。簡単に開けられるかい?3ぱぱさん、あんた泥棒か何かかい?」
……ちがうわ!泥棒じゃないわ!
扉を持ち上げてはずす。薄暗い灯りの付いた倉庫の奥にはまいちゃん、そしてまいちゃんをかばうようにみらいちゃん。
康祐とおう太、そして棒を持ったけん太が私の前に立ちはだかる。
けん太「大人が入ってきたぞー!」
普段は礼儀正しく真面目なけん太が私に棒を振り回しながら向かってくる。棒を取り上げけん太の腰を掴み持ち上げる。
けん太「離せー!」
おう太「こうちゃん!行くぞ!」
康祐「うん!」
第二陣、おう太と康祐が私の足に絡み付いてくる。けん太を持ち上げ両手の塞がった私。
3ぱぱ「い、痛て〜っ!」
康祐は私の足に噛みつきおう太は私の急所(チッチの出る所)にグーパンを喰らわしてくる。
(参ったな………人の家の子ひっぱたく訳にもいかないし………)
長岡ママ「3ぱぱさーん!おう太ひっぱたいてもいーから!止めて!」
けん太ママ「けん太も懲らしめてやって!」
3ぱぱ「イエッサー!」
反撃の許可は降りた………。
先ずはけん太を倉庫に積み上げてあったワラの上に投げる。
けん太はもう小学生だ。こんな事をしてもどうにもならない事はわかっているはず。それでもまいちゃんの為に何かをしてあげたかったのだろう……。
次はそろそろ私の股間がやばいのでおう太だ。おう太を持ち上げズボンを下ろす。プリプリのお尻が顔を出す。可愛いお尻に全力で平手を振り下ろす。
バチーン!
プリプリのお尻に私の手形がくっきりとつく。そしてもうひとり私の足に噛みついている康祐。おう太同様持ち上げズボンをおろす。いつ以来だろうか息子のお尻に鉄槌を落とすのは………
バチーン!
康祐のお尻にも私の手形が。
幼稚園組のおう太と康祐。真剣な顔で私に向かってきた。立て篭もれは本気でまいちゃんがドイツに行かないで済むと思っているのか……。
mission complete ボス、子供達の制圧完了しました。
愛のお尻ペンペンに号泣する康祐とおう太。奥でシクシクと泣いている、まいとみらい。下を向きガックリするけん太。
長岡爺さん「俺は帰ってモツ煮食ってくる。」長岡爺さんは去っていった。
そしてようやく、まいパパが到着する。
まいパパ「いや〜。迷子になっちゃって………。」
あんたも迷子か………。
遅れて来たまいパパに一部始終を話す。
まいパパ「まい、お前がどんなに泣いてもドイツ行きは変わらないよ。いつまでも泣いていたら友達も悲しいままお別れになってしまうよ?笑ってドイツに行ってくれないかな?」
まい「みんな…ごめんなさい……私がメソメソしてるから……。」
けん太「ごめんなさい。僕がまいちゃんと隠れようって言い出したんだ。」
泣いている子供達を見てお母さん達もたまらず号泣。子供達の立てこもり事件は解決した。
長岡爺さん「お〜い!子供達いっぱいいるから写真撮るべ〜。」
モツ煮を食べ終わった長岡爺さんがカメラを持って帰ってきた。
長岡爺さん「ほらー子供達!もっと笑わなきゃ!」
笑顔で肩を組み笑う子供達。この日に撮られた写真が息子の部屋に飾ってある写真………。
そして少し月日が過ぎる。休日の午後に外で遊ぶ康祐。そこにまいちゃんの姿はない………。
続く