【息子と親友の話】最終話
まいちゃん家族がドイツに引っ越し2回の桜が咲いた。幼稚園生だった康祐は小学2年生になった。
本来ならまいちゃんと歩いて行くはずだった道を歩き小学校に通っている。小学校の帰りはいつも親友と一緒だ。
親友の名前は「長岡おう太」
ケンカばかりしていた二人だったがあの日の事件を境にケンカをしなくなった。悲しい別れもあったがお互いが大切な友達だと気づいたのだろう。おう太のヤンチャっぷりは相変わらずだが………
立て篭もり事件の首謀者「けん太」
いつも真面目でみんなのリーダー。けん太があの日あんな行動を取るとはお母さんも驚きだった。
しかし真面目なけん太。私と顔を合わせると未だに一言「おじさん、あの時は棒を振り回してゴメンなさい。」と……
「みらい」
まいちゃんがいなくなって一番寂しいのはみらいちゃんだろう。幼稚園3年間、小学校1年間を一緒に過ごした同級生だ。勝ち気なみらいちゃんが泣いているのを見たのはあの日だけだった。
まいちゃんは遠くに行ってしまったが残った4人は今でも親友だ。誰かの家に集まっては大騒ぎをしている。
そして4人には楽しみがある。5月に1週間程まいちゃんが帰って来る事に。
まいちゃん家族と連絡を取りGWに合わせて帰国してくる。
子供達にはまだ言っていないサプライズ。まだ果たしていないまいパパとの約束のキャンプに行く予定だ。
まいちゃんも驚く事だろう。少したくましくなった康祐、赤ちゃんだった長女も幼稚園生になっている。そしてその下に弟まで増えている。
子供達の起こした事件は良い事では無かったかのかもしれない。しかし5人の絆は確実に深まり友達の大切さを学んだはずだ。
いつまでも純粋な心を忘れずに決して私のような薄汚れた大人にならないで欲しいと、5人の最高の笑顔の写真を見ながら願う3ぱぱさんでした。
【息子と親友の話】おしまい。